その3は“食事”だ。実はおそらく、これが最も重要だろうと私は思う。
人はどんな食物をとるかによって、運命が大きく左右される。これは多くの人は意外に思うかもしれない。前の二つの“呼吸”と“言葉”にも大きな影響を与えるのだ。
私たちの身体は食べたものと水と空気できている。誰もがわかるとおり、身体に悪いものを食べれば、体調が悪くなったり、不快な気分になったりする。日々、身体に悪いものを食べる習慣があれば、糖尿病や肝臓病、ガンなどの生活習慣病へとつながっていく。私たちが毎日食べるものが私たちの健康や幸福感、しいては人生をも左右するのだ。
食物は胃で消化され、腸で吸収され、血液となる。血液は全身をめぐり、細胞となり、身体を形作る。血液は脳に周り、思考や感情にも影響を与える。食べ物がよくなければどうなるだろうか。血液中に脂肪やコレステロール、細胞の代謝産物の尿酸やアンモニアなどで、ドロドロの汚れた血液になってしまう。汚れた血液が全身を巡っていれば、肩こりや疲労感などの軽いものから頭痛や腹痛、目眩など重いものまで様々な身体症状が現れてくる。
脳に清浄な血液が回らなければ思考は散漫になり、集中力に欠けたり、イライラしたり、攻撃的になったり、鬱っぽくなったりと、心や思考もおかしくなってくる。そんな状態では他人のことを本当の意味で考えている余裕などなくなってしまう。自分のことで精一杯になってしまうのだ。人のことなど思いやれるものではない。どんな食べ物を食べるかでどんな身体的、精神的な病気になるか大きな影響があるのだ。
東洋医学では「食が血となり、血が肉となる」と考えるように、食物が血液の成分となり、その血液が脳、心臓、肺、胃腸、肝臓、腎臓、骨、筋肉など人体60兆個の細胞を養っている。つまり、質の良い食物が、質の良い血液をつくり、質の良い血液が、質の良い健康な体(肉)、健康な体には健全な精神が宿り、健全な精神は調和的な人間関係をつくり、幸福な人生につながっていくのだ。
どんな、“食事”をするかが人生を大きく左右する。
では、具体的にどんな食事をすればいいのか?書けばきりがないのだが、最も重要な点を上げると2つある。それは“小食”と“全粒穀物を主食とする菜食”だ。
現代人の最大の健康を害している原因は栄養過剰による栄養失調にある。まず、最初は間食を止めること。次に腹八分。次に朝食を少なめにすること。更にそれらができれば、朝食を固形物なしにすること。そうして、小食にしていく。実はそれが人間の適切な食事量なようだ。
全粒穀物を主食にするというのは穀物が私たちの本来の食性だからだ。日本人ならば玄米。玄米は必要な栄養素の全てが入った完全栄養食なのだ。それに少しの野菜があれば、健康に生きていくことができるのだ。
という風に書いても人は納得できなければ、実行できないものだ。おいおいそれが何故かということ、更に詳しいことを、実体験を通しながら書いていきたいと思う。