今日は高揚が多ければいいというわけではないというお話。
初心者のうちは、高揚の惑星が多いことがいいホロスコープだと思ってしまいます。
高揚の惑星があることは多くのメリットがありますが、必ずしもいいとは限りません。
次のチャートを見てみて下さい。
このホロスコープは木星と金星が高揚し、太陽と土星が高揚の星座に在住して、惑星の力がとても強いホロスコープです。
このホロスコープの人物は素晴らしい人物でしょうか?いえ、違います。
実はこのホロスコープはジョン・レノンを暗殺したマーク・チャップマンのホロスコープです。
このホロスコープでは月がケマドルマ・ヨーガという孤立状態にあり、ラーフとのコンジャンクション、火星と土星のアスペクトによって激しく傷つけられており、精神に障害を来すことが現れています。
このように月が激しく傷ついたホロスコープでは、高揚の惑星は良い方向に働きません。
むしろ、高揚の惑星は暴走した方向に向かわせます。
高揚の木星は、善意を暴走させ、高揚の金星は愛情を暴走させ、高揚の星座の土星は頑なに自分の主張を通す頑固さに、高揚の星座の太陽は強硬な実行力・行動力になります。
高揚の惑星が多すぎることは必ずしも良いことばかりではないのです。ムーラトリコーナや定座の惑星の方が穏やかに惑星の良い面が発揮され、高揚より良いところもあります。
このように高揚の惑星が多いからといって必ずしも良いとは限りません。ホロスコープ全体のバランスとヴィムショタリ・ダシャーをしっかりと読み解くことが正確なリーディングには必要となってきます。