土星は物質世界における制約と抑圧、苦悩をもたらす惑星だ。
土星の影響を与えているハウスや惑星のテーマには試練が与えられる。
それはあなたに現世で「この試練をどう乗り越えますか?」と問うている。
その試練を自らの努力によって乗り越えた時、
精神の成長と解放、物質世界の束縛、執着からの解放をもたらす。
土星は凶星として忌み嫌われがちだが
実は精神の真の自由、解放をもたらす惑星なのだと思う。
実体験の話をしよう。
以前、私は木星/ケートゥ/土星期には
人生最悪の出来事が起こった。
土星は私のチャートでは8室在住、
ナヴァムシャでも8室在住で減衰でラーフとコンジャンクション。
チャート上でもどう考えても良いことが起こるわけがない。
破壊と苦悩の時期である。
しかし、そんな時こそ意識は内面に深く向かいやすくなり
瞑想への集中力はとても高まる。
そんな最悪の事態が起こっている時でも
意識を心の奥底に向けた時、心の安らぎ、平安がやってきた。
感謝と喜びの気持ちに満たされた。
物質世界での出来事と心がどう感じるかは全く別々のことなのだ。
困難を乗り越えた時、真の自由、解放がやってくることを実感した時だった。
土星は魂の飛躍的な成長を促すチャンスを与える惑星なのだ。
そう思ったら、土星期も恐くない。
それどころか真の自由への大きなチャンスだと思えてくる。
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減衰惑星のメリット
インド占星術を学び始めた初心者の頃は、減衰「惑星=悪い」と考えがちだが、必ずしもそうではない。それぞれの惑星について、減衰の良い点を考えてみた。
太陽 自己主張が弱く社交的で柔軟に人と接します。
月 感情に振り回されず、冷静に物事を見ることができます。
水星 非論理的で直感的に真実をつかむ、深遠な思考力があります。
詩人やチャネラーなどにもいます。
火星 自己主張が弱くなるので謙虚で、争いを好みません。
金星 過度な贅沢をせず、質素倹約になります。
木星 盲目的に楽天的になることなく、現実的にものごとを考えることができます。
土星 忍耐強さがなくなる反面、古いものに固執せず変化に柔軟に対応できます。
歴史上の有名人でも減衰惑星を持った人はたくさんいる。減衰惑星をいかに生かしていくか考えながらホロスコープをリーディングしてみよう。
パブロ・ピカソ
明治天皇
私の場合、水星が減衰しているが、インド占星術のようなスピリチュアルな世界を理解するにはとても役に立つことを実感する。水星が減衰している困難もあるが、それは良い面と悪い面は表裏一体なんだということがわかる。減衰は必ずしも悪いことばかりではないのだ。減衰惑星の性質をどう使いこなすかという視点が大切だ。
ラーフとケートゥ、2つの幸せへの道
インド占星術にはラーフとケートゥという2つの仮想天体があります。
それは太陽と月の軌道の交差するポイント。
魂(太陽)と心(月)が織りなすもの。
西洋占星術ではドラゴン・ヘッド(ラーフ)とドラゴン・テイル(ケートゥ)。
一方は上半分の頭だけ、だから食べるだけ。
一方は下半分の尻尾だけ、だから排泄するだけ。
ラーフは現世的で物質的、欲望を満たすこと、快楽を求めます。
幸せになりたいがために、欲望を追い求め続けます。
しかし、その欲望によって得る幸せと喜びは一時的なもの。
しばらくすると、また何かが欲しくなり苦しみます。
そして、欲望を大きくすればするほど、その苦しみは大きくなってゆきます。
幸せは一時のもの、苦しみは永遠に終わることはありません。
一方、ケートゥは精神的で禁欲的、現世的な快楽を放棄しようとします。
何かを失うこと、手放すために苦しみます。
しかし、それは一時的な幸せではなく永続する幸せに近づいていく道です。
手放せば手放すほど幸せは大きくなってゆきます。
手放す苦しみは一時のもの、永遠の幸せに向かいます。
人はこのラーフとケートゥの2つの道を交互に行き来しながら成長していきます。
この地球上に生まれてきて、あらゆる経験をします。
ラーフはまた、混乱や不道徳、無信仰、突然の災害、大惨事を意味します。
欲望ばかりを追い求めていった結果です。
現代文明はこのラーフの道をひた走ってきたのでしょう。
幸せになりたいがために、欲望を追い求め続ける。
しかし、その行き着く先は・・・・。
幸せを追い求めた結果の破滅!?
私たちは、手放してゆくというスピリチュアルな道、
ケートゥの道に戻ってゆかなければならないのかもしれません。
ケートゥは自己に関する知識、神秘的な知識、真理を見通す智慧です。
そのために、物質と欲望を手放します。
ケートゥの至るところは永遠の平和と幸せである悟り。
さて、これから私たち人類はラーフとケートゥ
どちらの道を進んでゆくのでしょうか?
今この時代は、死と再生の時、破壊の後には新たな創造が始まります。
新たな創造の時代が早く訪れるといいですね。
追記:
西洋占星術ではラーフは吉星、ケートゥは凶星。
インド占星術では両方とも凶星。
でも、ラーフは一見、吉星。行き着く先は凶。
ケートゥは一見、凶星。行き着く先は吉。
なのかなって思います。
でも本当はスピリチュアルな占星術では吉凶はありません。
インド占星術は惑星の両面のすべてを理解してゆくことによって
この世界をより深く理解することで精神的な成長を促すものなのかなと思います。
だから、インド占星術は面白い、ただ運命を知るというおだけではない
この世界の真実を知る智慧。奥深い宇宙の智慧。
土星の禁欲とケートゥの禁欲の違い
土星とケートゥはどちらも禁欲の惑星です。
しかし、その意味合いはだいぶ異なります。
土星は我慢します。自己を抑圧します。
自らに試練を与えます。
そのため、強いストレスを抱えます。
その抑圧したものがはじけてしまうと不道徳な方向にもいきかねません。
それに対して、ケートゥの禁欲は
禁欲しようと思うより、執着が少ない、
自ら放棄しようという気持ちになるようです。
第1室土星の在住の人の断食と
第1室ケートゥ在住の人の断食を見て思いました。
第1室在住の人は忍耐強く我慢してます。
強い決意の元に実行します。
第1室ケートゥの人は何となくしようと思った。
何となく1週間の禁欲をしてみたといいます。
同じ禁欲でも、そのそれぞれの惑星の意味を的確に捉えることが大切なんですね。
ラーフ・ケートゥ高揚の世代と霊能力
インド占星術を見ている中で明らかに特別な能力、霊感があるという人達がいるということがわかってきました。その中でも特に霊感が強いという人達がいます。多くの人を見る中でその共通点が見えてきました。
それはラーフ・ケートゥの高揚の世代です。この世代だけが霊感があるわけではないし、この世代の全員が霊感を持っているわけではありません。しかし、話を聞いている中でずば抜けて、この世代の霊感は強いのを感じます。
霊感といってもいろいろありますが、この世代の特徴は能力に差はあるものの良いものも悪いものも見えたり聞こえたりするようです。天使の声!?や霊、御霊、妖精など、私にはそういった能力がないのでわからないですが、そういったものが見える・聞こえる人たちがいるということが明らかにインド占星術を通して理解できます。
霊感のある人の特徴は
・さそり座が強い。火星が定座で在住、ケートゥが高揚、アスペクト集中。
・第8室や第12室が強い。高揚、定座の惑星が在住する。ケートゥが在住する。
● チャート1
・第12室のさそり座でケートゥが高揚
● チャート2
・第8室のさそり座でケートゥが高揚
● チャート3
・第8室支配星の土星が高揚
・第12室に高揚のラーフが在住し、その支配星金星が高揚
・さそり座でケートゥが高揚し、火星が定座で在住。
● チャート4
・第8室に木星が定座で在住。
・第12室に火星がアスペクトバックし、第9室支配星がアスペクト。第12室支配星の火星に第9室支配星がコンジャンクション。
・さそり座でケートゥが高揚し、さそり座に水星、金星、太陽のアスペクト集中。
以上の中で明らかにチャート3と4が強い。実際この二人が強い霊感、サイキック能力を持っています。
こういった人たちをその能力に振り回されて大変な人生を送っている人、その能力を生かして占い師をしている人もいます。こういった見えない世界が実際に存在するんだなとインド占星術を通して理解するようになりました。インド占星術で見れば、こういった霊能力という能力があるかどうかというのも見てとることができるのは、とても興味深い。
木星を読み解くことはホロスコープの重要なポイント
木星のホロスコープでの役割を考察してみました。木星は影響を与える惑星やハウスに幸運をもたらします。影響を与えるとは、コンジャンクション、アスペクト、星座交換のコンビネーションを形成することです。
例えば、木星が太陽に影響を与えると太陽の性質である堂々とした威厳、寛容さ、高貴さ、勇敢さ、指導力が高められます。また、太陽が木星の性質である慈悲深さ、精神性の高さ、教師としての質を帯びます。特にコンジャンクションを形成するときにはスーリヤ・グル・ヨーガという名称がついています。太陽が木星に影響を与えるときその人の良い性質が高まります。
同じように木星が火星に影響を与えれば、火星の性質である戦う能力、指導力、チャレンジ精神、投機するなどの性質が高まります。現代の競争社会や格闘技の世界など勝負の世界では強くなります。ただし、火星が木星にも影響を与えるコンジャクションやオボジションの場合は木星が傷つくことなります。木星は慈悲深い惑星ですがそこに残忍で攻撃的な火星が影響を与えることで木星の良い面が損なわれます。
木星が水星に影響を与えれば水星の知性やコミュニケーション能力、ビジネスセンスなどの良い質が、金星に影響を与えれば、金星の芸術性や愛、優しさなどの性質が高まります。土星に影響を与えれば、現実的な思考や忍耐強さが高まります。ケートゥに影響を与えれば、霊的な知識や性質が高まります。
木星が形成するヨーガにスーリヤ・グル・ヨーガ(太陽と木星のヨーガ)、グル・マンガラ・ヨーガ(木星と火星のヨーガ)などがありますが木星の本質的な意味を理解していれば、ヨーガを知らずとも、その良さを理解することができます。他の惑星とコンビネーションを組むことの意味も特別なヨーガを覚えることなく理解することができます。
各惑星は太陽と月以外は2つのハウスを支配するのでその支配するハウスにも幸運を与えます。木星が多くの惑星にアスペクトするということは惑星とその支配ハウスの両方に影響を与えることになり、影響を与える惑星が多ければ多いほど、その人の人生は幸運に恵まれることになります。木星が多くの惑星に影響を与えているホロスコープは能力が高く、恵まれた境遇を与えます。有能な人物や著名人には木星の影響が多くの惑星やハウスに及んでいます。
例えば、最近ブームの坂本龍馬は、木星が月、土星、太陽、水星、火星にアスペクトを組むという非常に幸運で能力のある人物であることがわかります。
木星はホロスコープの良し悪しみる重要なポイントになるのです。
高揚の水星と減衰の水星
インド占星術を学び始めた初心者の頃
自分のホロスコープに減衰の惑星を見つけて
がっくししてしまったことを覚えている。
しかし、勉強を進めていくうちに
減衰の惑星が必ずしもマイナスばかりとは
限らないということがわかってくる。
その典型的な例が水星だった。
実は私自身が減衰の水星を持っている。
減衰の水星はコミュニケーション能力が低く
系統だった論理的な思考ができず、情報処理能力が低い。
更に私の場合、ケートゥとコンジャンクションし、
更に水星の能力が傷ついている。
実際のところ、私はコミュニケーションが苦手。
頭の回転も遅く、本を読むのがすごく遅い。
しかし、より深く学んでいってわかったことは
水星はうお座で減衰するために、
霊的な世界とのコミュニケーション能力を示し、
深遠な深い思考ができることを実は現していたのである。
論理的な思考能力が失われる代わりに直観力もある
ということだったのだ。
なるほど、減衰の惑星も実は悪いことばかりではないのだ。
それに対して、高揚の水星の特質はというと
水星はおとめ座で高揚する。
だから、とても知性的で、高い論理的思考能力
高速な情報処理能力を持っている。
おそらく、コンピュータのような頭をしているのだろう。
水星の強い人と話すと
水星減衰の私には情報処理速度が速すぎて
とてもないが会話についていくことができい。
しかし、そんな高揚の水星にもデメリットもある。
論理的思考能力が発達しすぎるために、直観能力は低いのだ。
そして、うお座のように霊的な深遠なことも考えないようだ。
これがまた第12室に入っていれば別ではあるが。
だから、減衰の水星を持つ人は
高揚の水星の人には理解できない世界を知っている。
逆に高揚の水星の人は減衰の水星の人が理解
できない世界を知っている。
そこにはどちらが一方的に優れているということはない
それぞれに特質があるのだ。
高揚の水星と減衰の水星は例えるなら、
車に乗って、景色を見るのと歩いて
景色を見るのとの違いのようなものだ。
車で移動すれば、たくさんの景色を見ることができる。
しかし、一方で細かいところを味わって見ることはできない。
表面的に景色を追って、全体を見ていく。
しかし、歩いてその景色を見るなら、道端にある草花や
道行く人と会って話をしたりと
深く味わい深く楽しむことができる。
だから、高揚も減衰も一長一短なのだ。
減衰の惑星があってもその惑星の
特質を生かしていけばいいのだ。