もう、5年も前のことになるがネイティブアメリカンの儀式でスウェットロッジなるものを日本のとある村で体験させてもらった。簡単に言うと浄化と祈りの儀式だ。
3~4メートルの小さなドームを作り、その中にたくさんの人間がうずくまるように入り、熱した溶岩に水をかけて、超高温サウナで酸欠状態になりながらもメディスンマン(シャーマン)を中心に大地のスピリットに感謝のお祈りをするものだ。
これは本当に酸欠で意識を失いそうになったが大地や自然を全身でダイレクトに感じる貴重な体験だった。
儀式が終わり、大自然の中の青空で晴れ晴れとした中に出たとき足もふらつき意識朦朧としてふらふらであったが一緒に祈りをした仲間たちと抱きあい、座り込み、大自然を感じた。そのとき、自然と涙が溢れ出てきた。
それは不思議な感覚だった。普通、涙を流すときは嬉しいときか悲しいときだ。しかし、そのときの感覚はそのどちらでもなかった。嬉しいわけでも悲しいわけでもない。
大自然を全身で感じて、生きていることの素晴らしさを感じ、魂が震え、大自然と共鳴しているような感覚だ。ネイティブの人々や昔の自然と共に暮らしていた人は大自然をこんなふうに感じながら生きていたのだろうなと感じた。
自然の脅威というものもあるが自然と共に生きることへの感謝の気持ちも自然に沸いてくるような本当に貴重な体験だった。本当に生きているということはこうゆうことなのかな。生きているって何なんだろう。