さて、今回はお釈迦さまのダシャーを検証してみたいと思います。まずはじめに注意点として、これはお釈迦さまが紀元前622年4月15日午前9:30生まれだという「仮説」の元に行います。お釈迦さまの人生で起きた出来事で年齢が明らかになっているものには、結婚、出家、悟り、入滅があります。今回はその4つを中心に検証してみます。
※生涯のヴィムショタリ・ダシャーは最後に載せてあります。
●結婚:15歳:土星/金星
結婚を表すハウスは第7室です。このときのヴィムショタリ・ダシャー(VD)はマハー・ダシャー(MD)の土星が第7室を支配し、アスペクトバックを第7室に返しています。アンタル・ダシャー(AD)の金星は結婚の表示体であり、結婚の時期を表します。月ラグナで見たとき、土星も金星も第7室に在住しています。結婚するのにふさわしいダシャーであることが明白に読み取ることができます。
●出家:28歳
このときのダシャーは土星/木星期です。木星は第6室と第9室を支配します。第6室は結婚の第7室から12室目で、結婚の損失、つまり離婚のハウスになります。第9室は第10室から12室目にあたり、社会からの引退、仕事からの退職を意味します。このことは王子としての社会的立場を離れ、結婚生活を捨てて、第9室の精神性を追求する道に進む時期であることを示しています。木星自体も精神的な道に進むことを意味しています。
この第9室はアセンダントからだけでなく、太陽ラグナ、MDラグナからも第9室を支配しています。精神性追求の強い思いが伺えます。この2つの太陽、MDラグナでは第12室も支配しています。第12室は出家のハウスであり、隠遁のハウスでもあります。以上のことから隠遁、出家、離婚が見事に説明されます。
MD最後のアンタルダシャー(AD)は次のダシャーに向けての転換期であり、次のダシャーを予兆する出来事が起こります。出家はお釈迦さまにとってまさに人生の転換期でした。
土星は忍耐の惑星です。MDの土星期はお釈迦さまにとって忍耐のダシャーでした。それは第7室の支配星であり、月から第7室に在住し、結婚生活への忍耐でもあったのでしょう。土星は第7室と同時に第8室も支配し、お釈迦さまにとって結婚生活はあまり幸せなものではなかったのかもしれません。だから、土星期の最後に出家という道に選んだのでしょう。
●MD水星期
水星期は自分の自由に好きなことができるダシャーです。そして移動の多いダシャーです。この水星は第12室を支配し、悟りの道へと進むダシャーでした。同時に第3室の支配は旅を意味します。そして、第12室支配星は願望成就の第11室に在住し、お釈迦さまにとって第12室のテーマ「悟りへの道」を追求することができるダシャーでもあります。そして、最も注目すべきはMDの水星から第12室に惑星集中をしているということです。しかも、火の星座で。水星期は強い情熱をもって悟りのへの修行の道に明け暮れたことを伺わせます。
●成道(悟り):34歳
このときのダシャーはおそらく、水星/太陽期だったと思われます。太陽はMDラグナの水星から第4室を支配し、第12室に在住しています。モクシャハウスの支配星がモクシャハウスに在住することは辛い時期ではあるがモクシャのテーマに関しては良いことを意味します。しかも太陽は高揚の星座に位置し、方角の強さを獲得しとてもパワフルです。
お釈迦さまの悟った夜は満月だったといいます。出生の太陽も強烈な満月の吉星化した月のエネルギーを受けています。太陽は魂の表示体であり、ジャイミニ・カラカでもアートマ・カラカです。アートマ・カラカのダシャーは人生の転機を意味します。まさにお釈迦さまにとって悟りを得るという人生の一大転機だったのです。
●教団の拡大
悟りのあと2~4年のうちに、千人以上が弟子となり、一気に巨大な教団となったということが記録に残っています。それはAD月期とAD火星期にあたります。月は満月であり、アシュラムを意味する第4室に在住しています。強い月は人気を表します。そして、その次の火星はラージャ・ヨーガ・カラカであり、しかも第10室で方角の強さを獲得し、強烈なリーダーシップと社会的成功の配置を表わしています。この時期の教団の急激な拡大をうまく説明できるダシャーが来ています。
●入滅:80歳
80歳のときのダシャーは月/ラーフ期です。月は太陽、土星、火星、ラーフと全凶星のアスペクトを受け、とても傷ついています。月の傷つきは健康問題にも影響を与えます。お釈迦さまにとって月期は健康を損ない易いダシャーです。そこにADのラーフはアンコンディショナルキラーです。寿命が尽きるときのラーフ期は死を意味します。これもまたうまく説明することができるダシャーに入滅されています。
☆
以上のように、出生の可能性として、13~15日がありましたが、15日に生まれたとすると極めて人生の出来事との整合性が高いことがわかります。おそらくお釈迦さまは15日に生まれたのではないかと思われます。さてさて、真実は永遠にわかることはありませんがなかなか興味深い検証でした。
************************************************************************
生涯のヴィムショタリ・ダシャー
Ju-Me 02-03–624
Ju-Ke 05-11–622
Ju-Ve 04-17–621
Ju-Su 12-16–619
Ju-Mo 10-04–618
Ju-Ma 02-03–616
Ju-Ra 01-09–615
Sa-Sa 06-05–613
Sa-Me 06-08–610
Sa-Ke 02-15–607
Sa-Ve 03-27–606 15歳 結婚
Sa-Su 05-26–603
Sa-Mo 05-08–602
Sa-Ma 12-07–601
Sa-Ra 01-15–599
Sa-Ju 11-22–597
Me-Me 06-04–594 28歳 出家
Me-Ke 10-31–592
Me-Ve 10-28–591
Me-Su 08-28–588 34歳 成道
Me-Mo 07-05–587
Me-Ma 12-04–586
Me-Ra 12-01–585
Me-Ju 06-20–582
Me-Sa 09-24–580
Ke-Ke 06-05–577
Ke-Ve 11-01–577
Ke-Su 12-31–576
Ke-Mo 05-08–575
Ke-Ma 12-07–575
Ke-Ra 05-05–574
Ke-Ju 05-23–573
Ke-Sa 04-28–572
Ke-Me 06-07–571
Ve-Ve 06-04–570
Ve-Su 10-04–567
Ve-Mo 10-04–566
Ve-Ma 06-04–564
Ve-Ra 08-04–563
Ve-Ju 08-04–560
Ve-Sa 04-05–557
Ve-Me 06-04–554
Ve-Ke 04-04–551
Su-Su 06-04–550
Su-Mo 09-22–550
Su-Ma 03-23–549
Su-Ra 07-29–549
Su-Ju 06-22–548
Su-Sa 04-10–547
Mo-Ra 11-03–543 80歳 入滅
月別アーカイブ: 2010年4月
有名人検証:お釈迦さま① お釈迦さまはどんな人だったの?
本日は人類史上最高の聖者の一人お釈迦さまの検証です。さてさて、お釈迦さまはいったどんな人だったのでしょうか。
1.お釈迦さまはどんな人だったの?
●おひつじ座への惑星集中
まず、ぱっと見て目につくのはおひつ座に対する惑星集中。おひつじ座は火の星座でとても活動的で、情熱的な星座です。生涯に渡って、放浪の旅をしたお釈迦さまの特徴をよく表しています。4つ以上の惑星が集中することでサンニヤーシ・ヨーガ(出家者のヨーガ)を形成しています。
●かに座のアセンダント
アセンダントがかに座にあり、その支配星の月も満月で方角の強さを得て強力なことから月の性質の強さが伺えます。とても情緒豊かで慈愛に満ちた人だったことが想像されます。
●活動星座への集中
インド占星術で扱う惑星と感受点の10個のうち7つまでが活動星座に集中しています。活動星座に集中すると活動的でじっとしていられない、常に動き続ける性質を与えます。生涯に渡って放浪の旅をしたことをよく表しています。
●満月の月
ほぼ、完全な満月です。吉星化しており、しかも第4室に在住し、方角の強さも獲得し、これ以上ないくらいにパワフルな月です。強い月は人気を表します。しかもてんびん座の月で、とても親しみやすい華やかな性質ももたらしています。
しかし、同時にこの月は火星、土星、ラーフ、太陽と全凶星のアスペクトを受けとても傷つき、しかも、ケーマドルマ・ヨーガの月です。心はとても強いですが同時にとても傷つき孤独な心、厭離の傾向を表しています。傷ついた月、孤独な月も出家者の傾向を表しています。
更にこの月はガージャケーサリィ・ヨーガも構成しています。永続する名声・学識・記憶力・政治や宗教組織の長を意味し、まさにその人です。また、このヨーガは月が満月、木星は最強のケーンドラの第10室に位置し、とてもエネルギー的にパワフルです。支配ハウスも月は第1室を支配し、木星は第9室(高度な学問、宗教、精神性、グル)を支配し、ラージャ・ヨーガを形成しています。エネルギー、質ともに極めて高いクオリティでガージャケーサリィ・ヨーガが成立しています。
更にこの月は火星と相互アスペクトし、チャンドラ・マンガラ・ヨーガに似たものを形成しています。これは収益と財産の蓄積を表すヨーガです。無鉄砲な勇気も表します。激しい苦行をしたのもこの性質があるからでしょう。
●ルチャカ・ヨーガ
火星が定座に位置し、第10室で方角の強さも獲得し、大変強力なルチャカ・ヨーガを形成しています。ルチャカ・ヨーガは火星の性質が非常に強く現れるヨーガです。お釈迦さまは意外にもこの性質が最も強いのかもしれません。この火星はその人の性格・性質に関係する第1室、第1室支配星の月、第5室、月、太陽、第10室とすべてに影響を与えており、とても勇敢な戦士の性質をもった人だったのでしょう。
ルチャカ・ヨーガの意味を上げると、大胆、勇敢、王者の風格、厳しい身体訓練、冒険的な活動、リーダーシップというものがあります。
●スーリヤ・グル・ヨーガ
木星と太陽がコンジャンクションし、しかも太陽は高揚の星座に位置し、木星は第9室を支配して、これもまた高いクオリティのヨーガを形成しています。その意味は高貴さ、堂々とした威厳、権威、グル、宗教的な目的の遂行に従事する、支配者からの栄誉、支持者や財に恵まれる、広く高名をはせる、他の人に善いことをする、まさにお釈迦さまをそのまま現わしたヨーガです。
●クシャトリヤ・ヨーガ
火星と土星がコンジャンクションし、これは古典にはありませんが、王族・武人のヨーガです。実際、お釈迦さまは王族の生まれでクシャトリヤ階級でした。
●お釈迦さまの天命
社会的使命・天命を表す第10室が強力だというのはお釈迦さまの生まれてきた役割をよく表しています。そこにスピーチや言葉を意味する第2室の支配星と精神性を意味する第9室の支配星が在住し、言葉を通して精神的な教えを広めたことをよく表しています。しかもそれが火の星座であることがとても印象的です。猛烈な情熱をもって、人々の救うために活動をしたのでしょう。
☆
さすが2500年にも渡って名声を轟かせているだけあって、初級レベルでわかるヨーガが多数、最高レベルのクオリティで構成され、それがしかも最強のケーンドラで構成され、高め合っているという凄まじく強力な配置でした。やはり、歴史に名を残す人のホロスコープは芸術的とも言える配置ですね。
次回はダシャーも含めて、出生日時の検証もしたいと思います。
お釈迦さまの誕生日は4月15日?
ジョーティッシュ占星学の本に出ていたお釈迦さまのホロスコープを元にインド占星術ソフト“パラーシャラの光”で紀元前5世紀頃の星の配置を探していきました。そしたらなんとそれと一致する星の配置の日が出てきたのです。それは紀元前622年4月13日~15日の期間でした。
お釈迦さまの出生年には諸説あり、未だに確定的なことはわかっていません。日本語のWikipediaには前463年または前560年とあり、だいぶ私の推測からはかけ離れています。しかし、英語のWikipediaでは前563年または前623とあったのです。諸説の一つとわずか一年違い、まあ2600年も昔の話1年など十分誤差範囲と考えられます。
星の運行は単純ではないので簡単に確立計算をすることはできませんが単純計算でいくと同じ配置になるのは約5万年に1日。このことからも、偶然の一致として片付けるには確率的に低すぎます。
月は約二日半で一星座移動するので、これだけでは日付を特定することはできません。ここがインド占星術師の腕の見せ所、ダシャーの検証で逆算を試みてみることにしました。その他の情報として、お釈迦さまは満月の生まれ、プシャヤのナクシャトラの生まれという言い伝えがあります。
そんなことから総合的にダシャーの検証をしていった結果、私の検証ではグレゴリオ暦では4月15日の午前9時30分くらいではなかろうかという結論に至りました。そうすると結婚、出家、悟り、入滅の時のダシャーまでが見事に説明できてしまうのです。
ただ、これはただの憶測に過ぎませんがとても興味深い検証です。お釈迦様がどんな人であったかを知る面白いひとつの手がかりになるでしょう。
明日のブログではお釈迦さまのチャートを実際に検証してみたいと思います。
ミュータント・メッセージ①「宇宙のあらゆるものには目的がある・・・」
宇宙のあらゆるものには目的がある。
突然変異や偶然はあり得ない。
ただ人間が理解できないことがあるだけだ。
☆
この言葉はミュータント・メッセージという本の中に出てくる
アボリジニの言葉だ。
年を重ねて、いろいろなことを学ぶたびに思う。
ほんとに自然は完璧、宇宙は完璧なんだなということ。
人間の目からは自然界には無駄に思えることやものがたくさんある。
でも、実はそのすべてが全く無駄でも非効率的でもない。
完璧なんだということ。
ただ、人間は無知故に理解できないだけなんだ。
人間はもっと謙虚になって、自然を理解して、
調和して生きていくことが私たちの世代のテーマなんだなと思う。
この本には自然と調和し、宇宙と一体になって生きてきた
アボリジニの深遠な叡智を感じさせる言葉がたくさん書かれています。
いろいろな気付きを与えてくれる一冊です。
アボリジニに対する見方が百八十度転換させられます。
ぜひ、読んでみてください。
ミュータント・メッセージ (角川文庫) (1999/04) マルロ モーガン |
お釈迦さまの誕生日は4月8日? インド占星術で検証を試みる・・・。
さて、今日は夜中に目が覚めてねれなくなってしまいました。
先日の4月8日はお釈迦さまの誕生日ということで
ちょっとインド占星術らしく
スピリチュアルなテーマで
お釈迦さまのチャートでも見てみることにしました。
お釈迦さまは一応真実は定かではないですが
ホロスコープが伝わっています。
そこでせっかくだから
生まれた年も星の配置から割り出してみることにしました。
インド占星術ソフトがそんな紀元前5世紀の星の配置を正確に
出してくれるのかなと半信半疑でしたが
お遊びがてらそのあたりで探してみたのです。
そしたらなんと出てしまったのです!
伝説のホロスコープと完全一致!
しかも推測の一つで有る年とわずか1年違い!!
まさかとは思いましたが・・・・。
超驚き!!!!!!と感動と大興奮☆
こんな夜中に日記を書いてしまいました(笑)
伝説の星の配置が真実だとすると
西暦の誕生日は4月8日ではないことになります。
さて、それは何年何月何日か?
そして何時頃に生まれたのか?
その日にお釈迦さまのインド占星術の記事でも
アップしてみようかなと思います。
インド占星術がわかる人は乞うご期待!?