月別アーカイブ: 2011年10月

松下幸之助④ 幼年期の病弱さと肺の弱さ ~ 神様の女房

松下幸之助ホロスコープ
生来的な体の弱さは第1室支配星の火星がガンダンタに在住し、ラーフとコンジャンクションしていることから来ています。幼年期に肺が弱かったのは、第4室と月が傷ついていることから表されます。肺は月と第4室に表されます。
土星が第4室を支配し、第12室に在住し、第8室と第11室を支配する機能的凶星の水星とコンジャンクションし、逆行した木星からアスペクトを受け、肺は健康面でとても傷ついています。
さて、出生図では月は減衰の星座に位置していますが、それほど強い傷つきが見られません。しかし、ここで分割図が重要になってきます。健康問題を見るときは出生図の他にドレッカナ、ナヴァムシャ、ドヴァダシャムシャ・チャートが重要になってきます。
分割図を順に見てみましょう。
ドレッカナ・チャート
松下幸之助-ホロスコープ-D3
月は減衰し、火星とコンジャンクションしています。
ナヴァムシャ・チャート
松下幸之助-ホロスコープ-D9
太陽とラーフのパーパ・カルタリ、土星と火星のアスペクトを受け激しく傷ついています。逆行の木星のアスペクトも受けています。
ドヴァダシャムシャ・チャート
松下幸之助-ホロスコープ-D12
火星とコンジャンクションし、太陽と土星のパーパ・カルタリ、逆行木星のアスペクトを受けて傷ついています。
分割図を見ると月は非常に傷ついているのがわかります。健康を見るときはこれらの分割図を見ることもとても大切なのです。
1989年4月27日 気管支肺炎で亡くなりました。亡くなったときはラーフ/水星期でした。ラーフはアンコンディショナル・キラーで寿命が来た時に死をもたらします。ラーフは第1室支配星の火星とコンジャンクションし、体を傷つけています。
水星は第8室と第11室を支配し、機能的凶星として第4室(肺)支配星の土星とコンジャンクションし、肺を傷つけています。ディスポジターの金星は第7室と第12室を支配し、マラカで第1室に在住し肉体を傷つけています。これらの理由でラーフ/水星期に肺炎による死が訪れました。

堀ちえみの再々婚①

今日は離婚と結婚を繰り返してしまうホロスコープを見てみます。女優の堀ちえみさんは最近、再々婚のニュースが報じられました。

タレントの堀ちえみ(44)が12日、レギュラー出演しているフジテレビ「知りたがり!」(月~金曜、前9・55)で、交際中の会社員男性(45)と3度目の結婚をすることを発表した。
 「結婚します。3度目ですけど、慎重ですけど、怖いものはないです。仲良くしています」ときっぱり。関係者によると、男性の誕生日を迎える12月に、ごく少人数での結婚パーティーを検討している。
 男性との交際は、6月に番組やブログで公表。昨年9月に大阪府内の自宅付近で声をかけられ、その後、偶然、羽田空港で再会。もう一度東京で出会ったことで今年4月に交際がスタートしたという。
 堀は89年に11歳年上の医師と結婚し、3人の男児をもうけたが、99年に離婚。00年には同じ年の雑誌編集者と再婚し、1男1女を出産。10年6月に離婚して5児のシングルマザーとなった。
 再々婚相手の男性にも2度の離婚歴があり、2人の子供がいる。“バツ2”同士のゴールインで、計7人の子供の親となる。
 現在は、男性の子供2人と堀の年少の子供2人と計6人で都内で同居。ブログでは、7月に両家の子供同士の顔合わせを行ったことなども報告。6人で沖縄や河口湖に旅行に行った様子や、堀と男性が交互に子供たちの食事を用意するなど、双方の子供たちとも良好な関係であることを紹介している。
 10日に都内で行われたイベントに出席した際には「プロポーズの言葉はいただいています。タイミングをみて」と結婚秒読みをにおわせていた。

スポニチアネックス 10月13日(木)7時1分配信

堀ちえみ 1967/2/15 4:08 大阪府 堺市
堀ちえみインド占星術ホロスコープ
まずは
なぜ、結婚できるのか?モテるのか?
・アセンダントも月も火の星座に在住し、とても積極的で行動力があるのでエネルギッシュで魅力的。
・ラグナ支配星が第8室に在住し、高揚し、しかもヴァルゴッタマでエネルギーに溢れているので魅力がある。
・月がラーフとコンジャンクションし、月の女性としての魅力を高めている。ラグナ支配星がかに座に在住し、母性的な女性としての魅力がある。
・第3室と第11室のカーマ(欲望)・トラインに惑星が集中し、性的に積極的。
・月ラグナで見ると1室支配星が7室に在住し、異性を積極的に求める。
・結婚の表示体の金星ラグナで見ると第7室支配星が第1室に在住し、異性を引き寄せる。
・月が火星の星座に在住し、火星のアスペクトを受け、しかもラーフとコンジャンクションしているのでとても男性的で異性に自分からガンガンアタックしていく。
・カーマ・トラインが強い上に木星が第8室に在住し、木星の功徳を不倫に使うことができてしまう。木星は高揚しているので不倫浮気がより簡単にできてしまう。道徳の木星が傷つくので不倫も厭わない。
なぜ、離婚をしてしまうのか?
・第7室支配星が第3室に在住し、第7室は異性との関係、第3室が不安定で移ろいやすいハウスなので異性との関係に迷いや移ろい易い傾向がある。
・第7室支配星の水星が第6室支配星の金星とコンジャンクションするので争い・喧嘩になりやすい。
・月から第7室に火星とケートゥが在住する。火星は暴力や不調和の惑星、ケートゥにも暴力の意味があるので暴力的で不調和な異性に魅力を感じてしまう。
・堀ちえみ自身が、月が火星の星座に在住し、火星のアスペクトを受け、ラーフとコンジャンクションするので、争いを厭わない不調和な性質をもっている。
このようにホロスコープを分析するとモテる性質と異性とうまくいかない両方の性質を強く持っています。
明日以降は具体的なダシャーを見ていきたいと思います。

松下幸之助③ 青年期の成功 ~ 神様の女房

今日は松下幸之助の青年期の成功について検証します。マハー・ダシャーをラグナとして検証することも大切なことがよくわかります。
松下幸之助ホロスコープ
松下幸之助VD
水星-水星期に入り、土星の抑圧から解放され、大阪電燈に就職します。しかし、水星も第8室を支配し、第12室に在住するため、困難な時期が続きます。これは同時にヴィーパリータ(逆転)・ヨーガを形成しているので、この水星のマハー・ダシャーに会社を起業し、様々な困難を乗り越えて成功していきます。
また、マハーダシャーである水星をラグナとすると土星は第4室と第5室を支配し、ラージャ・ヨーガ・カラカとなり第1室で第9室を支配する水星とコンジャンクションすることで強力なラージャ・ヨーガが形成されます。しかも、土星は高揚しているのでその力はとても強力です。
マハー・ダシャー・ラグナ水星から2室でも第1室支配金星と第10室支配月のラージャ・ヨーガ。第1室支配金星と第11室支配太陽のダーナ・ヨーガが形成されています。
水星期はラグナから見ると第12室であまりよくないですが、マハー・ダシャー・ラグナで検証するととても強力な成功の配置です。
次のケートゥ期もマハー・ダシャー・ラグナで検証すると強力な成功の配置になります。アセンダント・ラグナと同じくらいマハー・ダシャーをラグナとして検証することは大切なことがわかります。

松下幸之助② 生い立ち ~ 神様の女房

今日は松下幸之助の生い立ちを追っていきます。
松下幸之助ホロスコープ
家柄の良さ

村では小地主の階級にあり、かなりの資産家だった。
幼い頃の幸之助は、子守りと一緒に川で魚を釣ったり、
鬼ごっこをしたりして、平穏な日々を送っている。
そんな幸せな暮らしも長く続かず、幸之助はやがて波乱の人生を送ることになる。

裕福な家庭や良い家柄に生まれることは第1室と第9室の絡みとして表れます。
詳細は過去のブログ参照。第1室と第9室の絡みは家柄の良さを表す
第9室支配星が第1室に在住していることは家柄の良さを表しています。ただ、月は減衰の星座に在住しているので田舎の地主という程度だったのでしょう。
幼年期

1894年11月27日、和歌山県海草郡和佐村千旦ノ木(現:和歌山市禰宜)に、小地主松下政楠・とく枝の三男として出生。家が松の大樹の下にあったところから松下の姓を用いたとする。
1899年頃、父が米相場で失敗し破産したため、一家で和歌山市本町1丁目に転居し下駄屋を始めた。しかし父には商才もなく店を畳んだため、尋常小学校を4年で中退し9歳で宮田火鉢店に丁稚奉公に出される。後、奉公先を五代自転車に移した。後のパナレーサー設立のきっかけになった。自転車屋奉公時代、店主に度々タバコを買いに行かされた。その際一々買いに出かけるより纏め買いして置けば、直ぐタバコを出せる上、単価も安くなるため、これを利用して小銭を溜めた。しかしこれが丁稚仲間から反感を買い、店主にやめるよう勧められたために纏め買いはやめる。この頃から商才を顕すと共に、独り勝ちは良くないとも気づくようになった。

幼年期のことは第1室と月に表れます。月は幼年期の環境を表します。幼年期のラグナとしても扱います。第2室も第1室に続く幼年期を表します。
松下幸之助は幼年期にとても苦労をしています。第1支配星が第5室に在住し、混乱のラーフとコンジャンクションすることから来ているのでしょう。
生まれてから12,3歳の頃まではマハー・ダシャーが土星期です。土星はそのものが困難な時期であることを表しています。同時に土星は第12室に在住し、第8室支配星ともコンジャンクションし、様々なものを失ったことや苦悩を意味しています。
第3室は引越し、第4室支配星は初等教育を表し、それが第12室に在住することで中退を余儀なくされたのでしょう。第4室は家や家庭も表すので、それらを失い丁稚奉公に出されたこともここから読み取ることができます。
そんな苦労の中でも保護と幸運の木星がアスペクトがあることで守られていることがわかります。

松下幸之助① 実業家の配置 ~ 神様の女房

今、NHK土曜ドラマで「神様の女房」で松下幸之助の生涯をやっている。面白そうなのでインド占星術で見て見ることにした。
実業家の配置のポイント
実業家とはどんな配置をしているのでしょうか。
私が見た中で実業家に特徴的なポイントを上げてみると。
1.ラグナが良い。
第1室に惑星が集中すると自分のことに集中できる。
2.第5室が良い。
自己実現のハウスなので自分のしたいことを実現したくなる。成功者の多くは好きな事をすればうまくいくと言います。それは第5室の強さなのでしょう。また第5室は創造力や知性、思考を表すので第5室が良いことはアイデアがあり、頭も良い。
3.第10室が良い。
社会的使命、天命のハウスです。ここに惑星が集中すると仕事人間になります。仕事に専念できるので成功しやすい。
4.第11室が良い。
願望成就のハウス。地位と名声、収入、欲望のハウスである。ここが強いとそれらのものを人生で強く求めるので成功しやすい。ただし、欲望に溺れる傾向もある。
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ホロスコープの分析
松下幸之助 1894/11/27 08:00 和歌山県 和歌山市
松下幸之助ホロスコープ
静的分析
松下幸之助を見てみると目立つのはラグナがとても強いことです。
第9室支配星の月と第10室支配星の太陽がラグナでコンジャンクションしています。これは最強のラージャ・ヨーガです。太陽は王様であり、社長としての気質、資質を持っていることを表しています。
また、月はグルのハウスである第9室の支配星です。教師としての資質を表しています。実際、彼は人に教えを説く数々の本を出し、経営の神様と言われています。PHP研究所を設立し、倫理教育も行なっているのは、ここから来ているのでしょう。
そして、第5室もラグナ支配星が在住し、ラーフとコンジャンクションし、ラージャ・ヨーガを形成しています。ただ、第5室に在住する火星は第1室と同時に第6室も支配し、第5室支配星は第8室に在住し、自己実現の中でさまざまな困難もあったことが示されています。
第10室は惑星は在住していませんが、第1室で第9室支配星とコンジャンクションしているので非常に強く良いです。
第11室はケートゥが在住しています。ウパチャヤである第11室に在住する凶星は最初は困難をもたらしますが、結果的には成功します。
動的分析 ダシャー・サイクル
松下幸之助VD
ヴィムショタリ・ダシャー・サイクルを見ると太陽期の始まった時期から非常に大きな成功を収めています。

1950年以降、長者番付で10回全国1位を記録(1955年 – 1959年、1961年 – 1963年、1968年、1984年)。また40年連続で全国100位以内に登場した。この時期の幸之助は「億万長者」であり、一生で約5,000億円の資産を築いたと推定される。

1951年に太陽期が始まり、1962年から月期が始まり、第1,9,10室絡むラージャ・ヨーガのダシャーが連続しています。1967年からは火星期、1974年からはラーフ期。これも第1室と第5室が絡みラージャ・ヨーガを形成しています。
生涯に渡って成功し続ける人は、マハーダシャーの流れを見ると明確にトリコーナが絡むダシャーが続いています。

医療占星術:健康を害するトランジット

健康のリアルタイムに詳細な変化を見るときにトランジットを見ることはとても大切です。ホロスコープ上の敏感なポイントを凶星がトランジットするとき、健康上の問題を引き起こします。
特に健康に重要な影響を与えるポイントには以下のものがあります。
・ラグナとラグナ支配星(肉体)
・月(心、精神的な影響による不調や病気)
・太陽(肉体)
トランジットは、生来的凶星がネイタルの惑星と西洋占星術でのハードアスペクト(90度、135度、180度)を組んだ時に健康上の問題を引き起こします。
トランジットはただの病気を引き起こす引き金なので、出生図での傷付きやヴィムショタリ・ダシャーの影響も慎重に考慮することが大切です。
私の実体験としては、出生の太陽に火星が正確に90度アスペクトした時、熱を出して風邪を引きました。1度以内でアスペクトを組んだ時にちょうどピークがやって来ました。
他には金星に対して、土星が正確に90度アスペクトを組んだ時は極度の疲労感に襲われました。金星の傷つきは極度の疲労を意味します。
病気になったときはヴィムショタリ・ダシャーとその時のトランジットを見てみましょう。正確なアスペクトを組んでいるときに起きます。それはたいてい1度以内と驚くほど正確な影響をもたらしています。
そのような実体験がある人はコメントをいただけると嬉しいです。多くの人の参考になると思うので。

医療占星術:病気のタイミング

今日も昨日に引き続き、翻訳メモです。
Elements of Vedic Astrology Ⅱ Dr K S Charak
意訳、要約しているので正確には原典を参考にしてください。
病気のタイミング
1.機能的凶星のダシャー
生来的な吉星であっても、機能的に凶星化している時、そのダシャーは注意深く見ることが大切です。ラグナは肉体を表し、それが凶星の影響が強い時、健康について注意深くみる事が大切です
2.ドゥシュタナ・ハウスのとその支配星の役割
ドゥシュタナ・ハウスに在住する惑星のダシャーやドゥシュタナ・ハウスの支配星のダシャーとそれの影響を受ける惑星のダシャーは病気を見る上でとても重要です。惑星がドゥシュタナ・ハウスに在住する時、慢性病を引き起こします。
3.逆行する惑星
・逆行する惑星のダシャーは病気を引き起こします。
・逆行する惑星がケンドラに在住するか、ラグナ支配星と絡む時、病気を引き起こします。
4.弱い惑星
コンバストされる惑星、敵対星座や減衰の星座に在住する惑星のダシャーは病気を引き起こします。特にナヴァムシャや他の分割図でも弱い場合はより顕著です。
5.ラーフ・ケートゥ軸(Rahu-Ketu Axis:RKA)
もし、チャート上に病気の表示がある時、RKAがラグナやダシャー支配星に影響を与える時に病気を引き起こします。
6.22番目のドレッカナや64番目のナヴァムシャの支配星
これらの惑星は健康に関して悪い要素を加えます。
7.保護の影響
健康と病気に関して注意深く吟味することが大切です。特に病気から保護される要素を注意深くみます。強い保護の影響がある時やきつくない変動のダシャーが連続して続くときは健康を害しません。好ましいトランジットの時は問題がありません。好ましくないトランジットは悪い影響を与えます。
8.ダシャーの連続性
病気について判断を下す時にはとても重要です。一般的にダシャーの連続性は以下のような影響を与えます。
(a)好ましいダシャーの後に好ましくないダシャーが来る:病気が発生します。
(b)好ましくないダシャーの後に好ましいダシャーが来る:病気から回復します。
(c)好ましくないダシャーの後に続いて好ましくないダシャーが続く:病気が長引く;複雑化や合併症を招く
(d)好ましくないダシャーが3回続く時:回復しない、もしくは死を招きます。おそらく3番目のダシャーまで生きることは難しいでしょう。

医療占星術:健康に良い条件

今日は医療占星術に関する翻訳メモです。
Elements of Vedic Astrology Ⅱ Dr K S Charak
意訳、要約しているので正確には原典を参考にしてください。
健康に良い条件
1.ラグナ
最も健康に重要な要素はラグナとその支配星の健全さです。ラグナが強いことは健康の条件です。
ラグナが強いというのは次のようなときです。
(a)ラグナ支配星が自室に在住する。
(b)自室支配星によってラグナがアスペクトされている。
(c)生来的吉星の在住。
(d)生来的吉星によるアスペクトを受けている。
(e)友好惑星または高揚の惑星の在住。
(f)機能的吉星の在住又はアスペクト。
(g)生来的又は機能的凶星が、在住していないこと又はアスペクトを受けていないこと。
ノート:吉星がアセンダントにの度数に近い時、ラグナを強くします。特に1度以内にコンジャンクションする時、とても深い影響を与えます。
ラグナを弱くするのは次のようなときです。
(a)ラグナの支配星が自室に在住せず、ラグナの支配星が自室にアスペクトしていない。
(b)ラグナに生来的吉星が在住せず、生来的吉星のアスペクトを受けていない。
(c)ラグナに機能的吉星が在住せず、機能的吉星のアスペクトを受けていない。
(d)ラグナへの生来的又は機能的凶星の在住やアスペクト
(e)ラグナへの減衰又は敵対惑星の在住
ノート:もし、減衰または弱い惑星がアセンダントから1度以内にあるとき、健康に悪影響を与えます。
2.ラグナ支配星
健康であるためにはラグナ支配星が次のようでなければなりません。
(a)ラグナの支配星がラーシと分割図で強い又は高揚している。
(b)吉星とコンジャンクションしている。
(c)吉星のアスペクトを受けている。
(d)吉ハウスに在住している。
ラグナ支配星が悪影響を受けている
(a)ラグナの支配星が弱っている又は減衰している。
(b)ラグナ支配星が凶星とコンジャンクションしている。
(c)ラグナ支配星が凶星のアスペクトを受けている。
(d)ラグナ支配星がドゥシュタナハウスに在住している。
ノート:
(a) ここでもラグナ支配星に近い度数の吉星や凶星はとても重要です。惑星がラグナ支配星と1度以内の時、強烈な影響を与えます。
(b) ラグナかラグナ支配星がヴァルゴッタマの時、有害な影響に耐える力強さを持ちます。
3.月の状態
月の強さは健康を見る時にとても重要です。ドゥシュタナに在住する月は幼年期に病気を引き起こします(バラリシュタ Balarishta)。月への凶星のアスペクトやコンジャンクションなどの絡みも有害です。幼年期に病気から守るコンビネーションがあれば、後年、バラリシュタのコンビネーションのあるダシャー期間に病気を引き起こします。
4.ケンドラとトリコーナの役割
ケンドラはホロスコープの4本の柱です。それに加えてトリコーナもホロスコープでもっとも重要なハウスです。吉星がケンドラとトリコーナに在住することは健康を高めます。凶星が在住する時、病気を指し示します。
ノート:逆行する吉星は病気からの保護にはなりません。病気をその惑星のダシャーに引き起こします。逆行する凶星はより有害です。凶星にアスペクトされる逆行する吉星も、逆行する凶星にアスペクトされる順行する吉星も有害な影響を与えます。
5.トリシャダヤス tri-shadayas
3,6,11ハウスは凶ハウスと考えられています。これらの支配星もまた有害な働きをします。生来的凶星がこれらのハウスに在住するとき健康によい影響を与えます。しかし、これらの惑星のダシャーの期間は健康の邪魔をします。これらのハウスのダシャーの期間も健康に悪影響を与えます。
6.第8室と第8室支配星
第8室は寿命のハウスです。第8室に在住する凶星は慢性的な病気を意味します。土星は例外で、在住することで健康と長寿を高めます。良い健康と長寿には第8室支配星が強く、吉星の影響下になければなりません。
ノート:ラグナと第8室のサルヴァアシュタカヴァルガの得点が高いことは健康によい事です。低い場合は病弱であることを意味します。
7.ヨーガの役割
強く有益なヨーガがラグナやラグナ支配星が関わって形成されることは健康に良いことです。以下について注意してみます。
(a)ラグナでのラージャ・ヨーガの形成
(b)ラグナ支配星が関わるラージャ・ヨーガ
(c)ラグナやラグナ支配星に形成されるスバ・カルタリ・ヨーガ
ノート:スバ・カルタリ・ヨーガとはあるハウスから第2室と第12室に吉星が在住するヨーガ。挟まれるハウスや惑星に良い影響を与えます。逆に両隣に凶星が入る時は、パーパ・カルタリ・ヨーガと呼び、健康に有害な影響を与えます。第12室に順行の凶星が在住し、第2室に逆行の惑星が在住する時は特に有害なコンビネーションです。
8.ダシャー
ホロスコープに示される病気の表示は関連するダシャーが巡ってきた時に引き起こされます。ダシャーの時期をより正確に解読するにはトランジットを見る必要があります。

第12室は手放しのハウス

インド占星術で第12室はドゥシュタナハウスの一つであり、損失や苦悩、入院、投獄などネガティブな象意が目立ちます。
しかし、第12室はスピリチュアルな意味でとても大切です。第12室のダシャーをどう過ごすか、その人の徳次第というところもあります。第12室は苦悩からの解放、神秘的な知識、解脱、悟り、心理学、ヒーリングなどの意味もあります。もし、第12室を自らの意思で自我を手放すために使うならば、第12室の時期は大変実りの多い時期になります。
瞑想をする、トラウマなどの心の問題を解決するセラピーを受けるなどをして過ごすといいでしょう。カルマの発現する時期は同時にカルマを解消する時期でもあります。
インド占星術は運命があることを明らかにします。同時にそれはカルマを解消する手法によって、乗り越え成長し変えることができます。
第12室のダシャーは誠実な努力をする者にとって最大のチャンスの時です。このダシャーは何かを失うかもしれません。しかし、それら物質的なものや怒りや不安、欲望、エゴという内的なカルマを手放した時に大きな実りが得られます。
第12室は何かを失う時ではなく、何かを手放すことによってカルマを解消し、より大きな喜びと幸せを得る時期にしましょう。
ちなみに私はマハーダシャーの支配星から12室に金星(おうし座)のあるダシャーを過ごしていますが、ヴィパッサナー瞑想を日々することで内的な成長と喜びをとても実感しています。第12室のダシャーはチャンスなんですね。