土星は本当に凶星なのか?

土星は本当に凶星なのか?

村上幹智雄 -ミチユウ-
村上幹智雄 -ミチユウ-

土星は本当に凶星なのか?

前回のコラムでも書きましたが土星期が来ることは、インド占星術初心者にとって結構恐いことだと思います。私自身もそうでした。

 

▼ 前回のコラム記事:土星期が始まりました!
http://jyotish.michiyuu.info/blog/c12/entry135.html

 

私自身、人生で起こることはすべてに意味がある、すべては成長のための学びだと考え、土星の役割とは何なのか考察し続けてきました。

 

長年、考え続けて、今の時点で考える土星の意味についての考察を今回書いていきたいと思います。

 

土星の象意は試練、困難、病気、停滞、遅れとろくな意味がありません。まだポジティブに解釈できるのは忍耐、責任、義務、努力のような象意です。

 

私は土星がどんな意味を持つか、それはその人の持っている価値観、人生観に左右されるのだと思います。土星の意味合いを大きく変える価値観とは、私たちが生きる意味、人生の目的、使命、天命を持って生きているかどうかです。

 

人生の意味を見出していない、人生の目的がない、使命や天命ということを考えて生きていない人にとって、土星は凶星以外の何物でもありません。土星は様々な出来事、試練、困難、病気、遅れ、災厄など自分の力ではどうしようもないことによって、私たちを悩み、苦しませます。

 

そして、その苦しみに負けると自己否定、うつ病、悲しみ、病気となり、それが長期に渡って、土星の試練の意味に気づかないと重い病気となり、屈折した人間になっていくことになります。

 

人生の意味や目的、使命、天命を考えない人にとって土星期は苦悩以外の何物でもありません。

 

一方、人生には必ず意味があり、私たちは地上での人生を通して魂を成長させていくのだと、考えている人にとって、土星は試練や困難、病気を通して、様々な気付きや学びをもたらしてくれます。

 

土星は一見すると災厄ですが、土星が与える試練を見事乗り越えた人は、あの出来事があったからこそ、今の私がある、成長した自分、幸せな自分があると、心から感謝します。

 

そして、そんな困難を乗り越えた人は、他人への思いやり、優しさ、共感力、忍耐力のある深みのある人間に成長します。

 

そして、人生の目的、使命、天命を明確に持っている人にとって、土星は重要な働きをすると思います。土星は責任や義務の惑星です。

 

使命や天命というのは、他人や社会、人類のために尽くす愛の生き方です。使命というのは、自分がやりたいと思ってしていることであっても必ずしも楽しいこととは限りません。そこを土星の力が後押しすることになります。

 

自分の意志によって土星を使う人にとって、土星は努力する力、思い通りにものごとが進まなかったとしても、その状況に耐え、忍耐する力を与えます。そして、どんな困難からも逃げずに使命を全うするための責任感をもたらします。

 

魂の高い意識レベルの人にとって、土星は使命や天命を全うするための力を与えるとても重要な惑星なのだと思います。

 

土星の力を使いこなすことによって、飛躍的な成長、志の達成、使命の全う、魂の浄化をすることができるのだと思います。

 

土星の力なくして、人間としての成長、気づき、魂の浄化はありません。凶星として忌み嫌われる惑星の土星ですが、魂レベルで考えたとき、私たちの成長になくてはならない惑星、それが土星なのです。

 

スピリチュアル占星術では惑星の単純な吉凶という解釈はなくなり、私たちの成長にどんな役割を果たすのかと考えます。魂の成長は私たちをより幸せな人間にします。土星は試練を与えて、それを乗り越えた人により幸せな人生をもたらすのです。そう考えたとき、土星は凶星ではありません。

 

こういった土星に対する解釈や見方をするとホロスコープの見方、見え方、人生観が全く変わってくるのだと思います。

 

私の前半生は土星に心を支配される人生だった面が多かったかもしれません。けれども、41歳から始まった土星期は土星の力を如何に使いこなして生きていくかを考えて、日々行動していきたいと思います。