現在、開講中の「コンサルタントのためのインド式運命学講座」で職業について読む方法を教えています。その中で、私がまず大切だと考えていることは人生の目的や方向性です。
職業を選ぶうえでまず人生の目的や方向性を知ることが重要です。社会の中で働くことが人生の意味となる人には、職業について、起業について真剣に考える必要があります。
しかし、社会で働くこと、社会貢献することに関心がなかったり、人生の主要なテーマになっていないような、主婦や修行を中心として人生を生きる人では、職業選択が変わってきます。
人生の目的や方向性はハウスへの惑星の偏りから観ることができます。
人の生き方を示すハウス分類があります。人生の生き方には4つの方向性があるとインド占星術では考えます。4つの方向性とはダルマ(倫理、宗教)、アルタ(財産、仕事)、カーマ(感覚的楽しみ)、モクシャ(霊的な修行)です。1つの方向性には3つのハウスが対応しています。
それぞれのハウスに惑星や惑星からのアスペクトが集中しているホロスコープでは次のような特徴が表れます。
生き方の方向性 | 対応するハウス | 意味 |
---|---|---|
ダルマ | 1,5,9 | 高い精神性や宗教性を求めたり、道徳や倫理を重んじる傾向。 |
アルタ | 2,6,10 | 財産を蓄積することや仕事・社会活動に集中する傾向。 |
カーマ | 3,7,11 | 交友関係や感覚的欲望の楽しみなどに集中する傾向。 |
モクシャ | 4,8,12 | 現世的価値観より神秘性や霊性の価値観を大事にする傾向 |
ただ、この中で注意したい点があります。ダルマ・ハウスへの惑星集中は必ずしも精神性や宗教性に向かうとは限らないようです。幸運のハウスであるため、恵まれた環境に甘んじて無為に人生を過ごしている人たちもいるようです。精神性や宗教性に向かうためには、精神的な傾向が高まる木星が精神に強い影響を及ぼす天体配置が必要です。
惑星の偏りについてみるとき、天王星、海王星、冥王星は数にカウントしません。なぜなら、これらの惑星はヴィムショタリー・ダシャーに表れてこないため、ダシャーの流れの中で意識に上ってこないからです。
あなたのホロスコープではどの方向性のハウスに惑星が集中していますか?
ダルマ 個
アルタ 個
カーマ 個
モクシャ 個
特に第1室の支配星、月、太陽の在住するハウスは人生の方向性に強い影響を与えます。これら惑星については2倍くらいの影響があると考えてみてください。
ここで惑星の集中しているところに着目しますが、逆にないところにも着目します。例えば、仕事をするアルタ・ハウスに惑星が一つもない人が職業の相談に来たとしたらどうでしょう。その人の人生の目的や意味は働くことにあまりないのかもしれません。そういった場合には、人生の目的に沿った生き方をするために、いかに働く時間を短くできるかということを考えることもありえます。
それでは、インド人医師のディーパック・チョプラ氏を事例に見てみます。
ダルマ 太陽、木星、火星、水星 4
アルタ 土星、ケートゥ、金星 3
モクシャ ラーフ、月 2
カーマ なし
この中で、太陽、月、1室支配星(土星)は影響力が大きいので2個分としてカウントすると次のように修正されます。
ダルマ 5
アルタ 4
モクシャ 3
カーマ 0
これから読み取れることはダルマの精神性を高めていくことがもっとも重要で、そして、仕事を通して奉仕していくこと、使命を果たしていくことが人生で大切なことだということになります。
逆にカーマに惑星がないことから、現世的な繁栄や成功をあまり望んでいるわけではないことが伺えます。
彼は、スピリチュアルな世界で大きな成功を収めていますがそれはカーマの欲望からではなく、アルタの奉仕精神や使命感から来ているのでしょう。
このように、インド占星術でみていくと人生の方向性がとてもよく現れています。
「コンサルタントのためのインド式運命学講座」では、更にこれを突っ込んで、それぞれの惑星ごとに見たり、ダシャーによる時期分析も行い、より詳細に人生の目的や方向性をみることをしています。
今年はコンサルタントのためのインド式運命学講座の水曜日コースを4月から開講する予定です。
また、大阪では4/4(土)に中上級者向けの1日講座で人生の目的やテーマ、課題や試練について見る講座をする予定です。
どちらも近日中に日程を公開する予定ですのでご興味のある方は楽しみにしていてください。