今日は、医療占星術の研究の中で気づいたことを書きます。
今回の講座の中でで癲癇(てんかん)の配置について知りたいという要望があり、それを調べることにしました。
インド占星術の象意表を見ると太陽に癲癇とあります。
そうすると太陽の傷つきが癲癇に関係するのだと推測できます。
私がよく参考にしている医療占星術の本でドクター・チャラクの「医療占星術のエッセンス」には、占星術古典からの記述として、次のようなものが載っています。
(1) 土星と月が火星によってアスペクトされている。
(2) 月とラーフが8室に在住する
(3) 6室または8室が土星と火星と絡んでいる。
(4) 太陽、月、火星が1室か8室で同室し、凶星のアスペクトを受けている。
(5) 食(太陽・月)の時に生まれ、木星がラグナまたはトラインに在住し、土星と火星が6室または8室に在住している。
(6) ラーフがラグナに在住し、月が6室に在住している。
そして、日本で数少ない医療占星術の翻訳書であるワンダ・セラーの「メディカル・アストロロジー入門」には癲癇に関わる惑星と星座として
「月、水星、水星/天王星、牡羊座」
と書かれていました。
水星は神経、天王星は痙攣を表すので、水星と天王星がハードアスペクトを組んだら、いかにも癲癇になりそうです。牡羊座は頭を意味するのでそこが傷ついたなら癲癇になりそうです。
今回、私はしっかりと実証確認したいという思いからアストロデータバンクから癲癇のホロスコープを12個検証することにしました。
その結果は、著名な本に書かれたものとは違ったものになりました。
癲癇の配置としては以下の結論に至りました。
脳を意味するのはAs、1室支配星、太陽、水星です。そのため、これらが酷く多重的に傷ついていると癲癇持ちの可能性がある。そして、この中でも傷つきとはラーフ・ケートゥ軸による西洋占星術の1〜2度程度の緊密なアスペクトがある。特に150度のアスペクトが多く形成されている。また、ラーフ・ケートゥ以外にも土星の傷つきの場合もある。そして、癲癇は慢性的な先天疾患であるので出生時のダシャーが傷ついている。
この条件でいくと100%ではありませんが、多くの癲癇のケースを検証することが可能です。高い精度で検証できない原因はAsの傷つきの可能性あることです。Asと緊密なアスペクトを組んでいる場合は出生時間がよっぽど正確でない限り検証はできません。
私の結論は本に書いているものとだいぶ違ったものになりましたが、実際本に書いてある配置の多くは見つけることができませんでした。
いつも偉大な先人が書いた古典、著名な先生が書いたものを参考にしており、信じたいですが、必ずしも実証検証ができるとは限らないというのが今回の私の研究の結論でした。
偉大な先人の研究に敬意と感謝の念を持ちつつ、鵜呑みにしない。それが占星術の上達の秘訣の一つだと私は考えています。
更に癲癇について調べていくと、歴史に名を残す偉大な人々や科学者に癲癇の人が結構いることが出てきます。また、癲癇の人は引きこもりであったり、アスペルガー症候群、プログラマーの才能、エンジニアの才能を持っている人が多いというのも出てきます。
これは私の検証が正しければ、当然の結論です。なぜなら、アスペルガーはケートゥと関係します。そして、プログラマーもケートゥ、エンジニアはラーフ、ケートゥが関係します。
また、天才や発達障害と言われるような人たちはケートゥが関係しています。
癲癇と天才性や自閉症はラーフ・ケートゥ軸の多面的な現れの結果なのです。癲癇があるということは天才性を秘めているということになるのです。
占星術の研究が深まるほど、この世界や人間の本質の様々なつながり見えてきて本当に興味深いですね。