インド占星術では、どのハウスに惑星が集中するかによって人生のテーマや方向性が決まるというのがあります。
第1室、第5室、第9室はダルマハウスと呼び、このハウスに惑星が集中すると精神的なことが人生のテーマであるとされます。
しかし実際のホロスコープを見ていくと必ずしも、そうではないようです。
また、仕事のアルタハウス(第2室、第6室、第10室)に惑星がないと、人生で仕事をすることがテーマではなく、あまり働かなくなります。
このダルマハウスに集中し、アルタハウスにないと、精神的な道に進むと考えられるのですが、実はそうとは限らないことが実際のホロスコープを見ていく中で見えてきました。
ダルマハウスはトリコーナハウスで幸運のハウスでもあります。そうすると、アルタハウスがないことによって働く意欲がなく、トリコーナハウスによる幸運で、あんまり働かなくても食べていける環境が与えられます。
それは親の脛をかじりかもしれないし、親の残した不労所得で生活するかもしれないということもありうるようです。
とてもラッキーな環境ですが、ただダラダラと無為に人生を過ごすことにもなることもありうるようです。
ダルマハウスへの集中が精神的な道に進むためには、やはり、精神性の惑星である木星がその人の価値観に対して、ホロスコープで強い影響を及ぼしている必要があるんだということを感じます。
例えば、ダライラマ14世はダルマハウスに惑星が集中し、第5室に木星が在住し、1室と1室支配星(水星)、9室と9室支配星(土星)、太陽に木星が在住し、思考や価値観に木星が強い影響を及ぼしているので、とても精神的な道を進むことになります。
ホロスコープの読み、基本はとても大切ですが、基本がそのままあてはまらないということは、やはり多数のホロスコープを検証していかなければわかりませんね。
インド占星術は思考をより深くし、世界観を広げ、この現実世界をより広い視野で見て考える洞察力を深めてくれることが本当に面白いです。この世界への理解が深まるほど、精神が自由になり、人生がより良いものに変わっていきます。インド占星術の奥深さは本当にすごいですね。