結婚運がいいのか悪いのかは通常は7室の状態と金星の状態で検討します。
凶星による傷つき、ドゥシュタナ・ハウスとの関わりがあれば悪いし、吉星が関わり、トリコーナハウスが関われば良いと考えます。
それでは悪い場合どのように考えれば良いのだろうか?
「あなたは結婚運悪いですね。最悪です。一生結婚できません」なんて答えては身も蓋もないことになってしまいます。
結婚運が悪いことによる良いことはないのだろうか?
それにはもちろん意味があるのです。
この世界は全ては学びです。成長のために私たちは生まれて来ているので、すべてに意味があるのです。
7室が傷ついていることはスピリチュアルな配置であるとか、出家者の配置であるとかいいます。私は最初はその意味がわかりませんでした。しかし、これはどうゆうことか長年考えて意味がよくわかるようになりました。
7室が良いということは、良い配偶者に恵まれ、今生はとっても幸せで、スピリチュアルな道、出家の道に進もうなどと思わないのです。そして、そうした道には進むことはできないのです。7室が良いというのは別の見方をすると神の道、スピリチュアルな道に進む最大の障害でもあるのです。つまり、真の悟りに到達することは極めて難しいということなります。
聖者と呼ばれるような、霊的に高いレベルに到達するためには7室が徹底的に傷つき、絶対結婚できない、現世的には恵まれない必要があります。そうすることで現世への執着を絶ち、自己放棄の道に純粋に進み、高いレベルの霊的な成長による幸福が得られることになるのです。
もちろん、このような配置がある人はそれを受け入れられるまで苦悩をすることになるでしょう。でもそれが必要な魂の浄化のプロセスなのです。
7室の傷つきは、肯定的に表現するなら、悟りの道、出家者への道、聖者への道に進むための配置、現世を卒業する悟りの道を選んできた配置とも言えるのです。
現世的な視点だけで見れば不幸の配置も、スピリチュアルな視点で見れば、高いレベルの霊的な達成のためには幸運の配置とも見ることができるのです。
インド占星術で運がいい悪いと安直な判断をするだけでなく、それにどんな意味があるのだろうと深く洞察していくと、この世界のことはすべて意味があるのだということを理解できるようになります。
この世界のすべての意味を理解できればできるほど、心は安らぎと調和に満たされていきます。これがインド占星術を学ぶ一つの目的なのです。