インド占星術で寿命はわかるのか?

インド占星術で寿命はわかるのか?

村上幹智雄 -ミチユウ-
村上幹智雄 -ミチユウ-

インド占星術で寿命はわかるのか?

講座や鑑定をしていると寿命はわかるのかという質問を時々受けます。インド占星術は、よく当たる、寿命までわかるという噂のようなものが広がっているからだ。

 

確かにインド占星術には寿命計算なる技法が存在する。けれども、それにはいくつかの方法があり、結果も異なる。私自身、まだ自分の寿命を知りたくはないし、下手に研究して高い精度でわかっても怖いので、検証したことがない。

 

それに以前、テレビで双子でも寿命異なるという科学的な調査を見たことがあったので寿命がわかるということには懐疑的だった。

 

けれども最近、その答えがわかる面白い事例を発見した。それは「ディオンヌ家の五つ子姉妹」という事例だ。

 

1934年にカナダで誕生し、「奇跡の赤ちゃん」として出生直後から注目を浴び、世界恐慌当時の不屈の精神と喜びの世界的なシンボルとなった。

 

この姉妹たちの興味深いところは、伝記から出生時間まで明らかにされており、それぞれの寿命が全く違うということだ。この5人のうち、2人はまだ存命のようだが、3人は既に亡くなっている。それぞれ、20歳、35歳、67歳で亡くなっていた。

 

そして、結婚して子供がいるのもいれば、生涯独身だった人もいる。5人ともそれぞれ大きな違いが出ている。

 

長女イヴォンヌのホロスコープ

 

 

ホロスコープを出してみると、出生図は5人とも同じ牡牛座アセンダントであり、アセンダントの度数がそれぞれ違うだけだ。寿命のハウスと言われる8室も、ダシャーの流れもすべて同じ状況だ。

 

そうすると、出生図だけで寿命を判断することは不可能ということになる。けれども、私はナヴァムシャの分析を試みてみた。そしたら、5人になぜ、これほどまでに寿命が違うのか、結婚運が違うのか健康運が違うのか、それが明確に現れていた。

 

ナヴァムシャのアセンダントをずらしていくと、健康状態、結婚運、寿命が著しく変わることが読み取れた。分割図恐るべしだ。

 

さて、最初の命題である「インド占星術で寿命はわかるのか?」という答えであるが、これはわからないというのが私の結論だ。ナヴァムシャや分割図を駆使すれば、ある程度目処はつけることができると思うが、そのためには厳密な時刻修正がまず先に必要となる。

 

厳密な時刻修正ができれば、この時期に健康上危険だなということはある程度わかるかもしれないが、明確にそこが寿命だと判断することはまた難しいだろう。

 

いつまで生きるのか、生きられるのか、多くの人が興味を持つことだが、それは天のみぞ知ることなのかもしれない。

 

そして、この5人姉妹を研究した結果、次のようなことがわかった。

 

  1. ナヴァムシャ(D9)は人生の後半生や潜在意識を表すとされるが実際には生まれた瞬間から作用し、人生の出来事に大きな影響を与えるということ。
  2. ナヴァムシャは健康にも、寿命にも、人生のあらゆる出来事を見るのに有効に作用すると。
  3. ナヴァムシャは、特に結婚運を表す分割図であるため、結婚運に絶大な影響をあたえるということ。
  4. 子供運に関しては、ナヴァムシャだけでなく、子供の分割図であるサプタムシャ(D7)が絶大な影響力があるということ。
  5. 健康運を見るのに、インド占星術では通常扱わない天王星、海王星、冥王星が絶大な影響を与えるということ。そして、西洋占星術の正確なアスペクトが健康に強力な影響を与えるということ。

 

 

占星術の世界は、どこまでも深く、通説とは違うことやわかっていないことがたくさんあることを発見できる興味深い例だった。

 

これらのことはあまりにも高度で、複雑なため、ブログでは取り上げることができませんが、私のインド占星術の専門講座でお話していきます。

 

このディオンヌ家の五人姉妹については、心と身体の健康、医療占星術の講座で詳しく取り上げてお話したいと思っています。

 

セラピストのためのインド占星術講座