高倉健

高倉健

村上幹智雄 -ミチユウ-
村上幹智雄 -ミチユウ-

インド占星術で読み解く:高倉健

2014年11月10日、人気俳優の高倉健さんがお亡くなりになりましたね。

 

私の中ではカッコイイ、渋い俳優というイメージだけでした。

 

検証しながらわかったことは、俳優として素晴らしかっただけではなく、人柄も素晴らしく、多くに人に慕われた尊敬できる方だったんですね。
自分の役割を全うした人生だったんですね。

 

高倉健さんのご冥福をお祈りします。

 

さて、今日は高倉健さんのホロスコープを検証してみましょう。

 

1931年2月16日 午前8:00 福岡県中間市生まれ
高倉健

 

俳優としての特徴

 

まず、俳優を選ぶ人の特徴はどこにあるでしょう?
俳優や芸能人は必ずと言っていいほど、獅子座もしくは太陽が関係しています。
そのパターンとして、以下のものがあります。

 

  1. アセンダントが獅子座
  2. 第1室の支配星が獅子座
  3. 第1室に太陽が在住
  4. 第1室の支配星が太陽とコンジャンクション
  5. 太陽が獅子座に在住

 

3番目の第1室に太陽があるというのが当てはまっていますね。
典型的な俳優を選ぶ人の配置です。ただ、太陽や獅子座の影響だけだと経営者や政治家という人にも当てはまります。

 

もう一つの俳優になる人の特徴として、アートの金星が関係していることがあります。金星は第1室支配星土星とコンジャンクションし、アーティストの傾向を示しています。また、俳優には想像力豊かな性質を示す魚座が関係している傾向もあります。

 

高倉健さんの場合は魚座にはラーフが入っています。ただ、ラーフが魚座に入っているだけでは高倉健さんの性質に魚座の特質があると判断するのは禁物です。なぜなら、ラーフは一つの星座に約1.6年もいるため、その世代すべてにあてはまり高倉健さんの個人的な性質を表すには全く説得力はないからです。

 

しかし、高倉健さんの場合はラーフが魚座にいる影響を強く受けます。それはなぜでしょうか?それは高倉健さんがその人の生き方や価値観に大きな影響を与える時に、ラーフのマハー・ダシャーを迎えているからです。12〜30歳の間、マハー・ダシャーがラーフ期になっており、その期間は魚座の意識になり、その性質を持つようになるからです。

 

魚座はとても想像力が豊かで、想像の世界に心躍らせる傾向があり、音楽や芸術、スピリチュアルな世界に強い関心を持ちます。

 

このように、その人の仕事を見るときには、出生図の静的な分析に加えて、マハー・ダシャーの流れを検証することも重要になってきます。

 

高倉健さんといえば、ヤクザや時代劇など無骨な男の役柄が多いですね。それはパーソナルな性質を表すアセンダント、太陽、月、水星のすべてに火星のアスペクトがあることが関係しています。火星は男の中の男、戦士を表す惑星です。そして、火星は第6室に入り、負けず嫌いの性質を持ち、スポーツや勝負の世界を好む傾向が出ています。若いころにボクシングをしていたのもこの強い火星の影響からです。ちなみに火星は減衰していますが、それでもパーソナルな性質を表す惑星にアスペクトすれば、その性質ははっきり現れてきます。

 

そして、第1室の支配星の土星は冥王星と正確に180度反対の位置にあり、西洋占星術でのオポジション(180度アスペクト)を形成しています。この冥王星の影響が無骨な男のイメージを更に強くしているのでしょう。冥王星は絶対権力者、絶対的な意志、強烈なパワーを表す惑星で、カリスマ的な影響力を与えます。

 

こんな男らしく厳しい一面が強く現れている一方で、とても愛がある、優しく、誠実な特徴も出ています。それは第1室の支配星が金星とコンジャンクションし、愛情深く、社交的な性質を示しています。

 

また、第1室に在住する太陽に木星がアスペクトし、高貴で礼儀正しい性質も示しています。また、木星はその人の思考を表す第5室に在住し、第1室と第1室支配星、太陽にアスペクトし、とても暖かみの人柄であることを示しています。

 

高倉健さんのエピソードに次のようなものがあります。

真冬の福井へロケに行った際、高倉は休みの日だったが、ロケ現場へ激励に現れた。
厳冬下であったので、出演者・スタッフは焚火にあたっていたが、高倉は焚火にあたろうとしない。
スタッフが「どうぞ焚火へ」と勧めたところ、高倉は「自分はオフで勝手に来た身なので、自分が焚火にあたると、皆さんに迷惑がかかりますので」と答えた。
このため、スタッフだけでなく、共演者も誰一人申し訳なくて、焚火にあたれなかったと発言している。
やがて「頼むからあたってください。健さんがあたらないと僕達もあたれないんです」と泣きつかれ、「じゃあ、あたらせていただきます」となり、やっと皆で焚火にあたることができた。

高倉のファンである映画監督・張芸謀(チャン・イーモウ)は、『単騎、千里を走る。』の撮影の際、高倉が休憩の時に椅子に一切座らず、他のスタッフに遠慮して立ち続けていたことや、現地採用の中国人エキストラ俳優にまで丁寧に挨拶していたのを見て「こんな素晴らしい俳優は中国にはいない」と発言している。

『夜叉』の撮影初日が終わり、役者・スタッフの泊まる旅館へ到着し、食堂へ行くと、高倉と監督の前だけ、皆とは違った豪華な料理が並んでいた。これを見た高倉は「自分も皆さんと同じ料理にしてください」と遠慮していた。

 

こういった特質は誠実さと慈悲深さを示す木星の多重的な影響と、アセンダントも太陽も「自由、平等、博愛」の精神を示す水瓶座に在住していることから来ていると考えられます。