政治家に必要な天体配置とは

政治家に必要な天体配置とは

村上幹智雄 -ミチユウ-
村上幹智雄 -ミチユウ-

政治家に必要な天体配置とは

インド占星術では、政治家になる人は10室に土星の影響がある必要があると言われています。10室に土星の影響とは次のような条件です。

 

1. 10室に土星の在住
2. 10室に土星のアスペクト
3. 10室支配星と土星のコンジャンクション
4. 10室支配星への土星のアスペクト

 

それでは、実例として世界で物議を醸し出しているアメリカ大統領のドナルド・トランプ氏を見てみましょう。

 

 

彼の10室の支配星である金星が12室に在住し、土星と緊密にコンジャンクションしています。政治家になる条件を満たしています。

 

それでは、なぜ土星の影響が政治家に必要な条件なのでしょうか。それは土星が民主主義の惑星だからです。民主的な選挙で選ばれるためには、土星の影響が必要なのです。また、土星は権力の惑星であるため、10室に土星は権力の座につくことを意味しています。

 

私は最近インスピレーションがあり、更に次のように考察しています。10室は社会的な行動を表すハウスです。10室に土星は仕事に対する責任感が強くあり、好き嫌いにとらわれず仕事を全うします。また土星は現実主義の惑星でもあります。そのため、理想だけを見るのではなく、現実に起きている問題に対して、現実的に考え行動する思考も与えます。そして仕事における完璧主義と努力の惑星でもあるため、高い質の仕事をします。仕事においてこのような姿勢を示す人間は民衆からの支持を得て、選挙で選ばれ、権力の座の座につくことができるのでしょう。

 

考えてみれば、政治家の仕事というのは本当に大変な仕事です。多くの対立するニーズ、利害関係のある中で様々な地域や国家の問題に対して、長期的に取り組んでいかなければなりません。そして、すべての人の希望や理想、利害を満たすことは不可能なので、対立や批判を免れえません。そんな仕事より、もっと楽で儲かる仕事は世の中にたくさんあるでしょう。その中で、あえて政治家という仕事をするのは、志しと同時に理想だけでなく現実を見て、現実に対処できる人間である必要があります。

 

土星の影響だけでなく、様々な惑星の影響があるので、こんな人間だけでなく、私利私欲欲望に満ちた政治家もたくさんいると思いますが、土星の影響があるということはそういった一面もあるのではないかと思います。

 

理想主義者からすれば、政治家に対して悪いイメージを抱きますが、理想主義だけでは解決できない現実をみて動いていかなければならないのが政治家です。現実的だからこそ、社会的な影響力の高い権力の座につくことができます。

 

逆に木星が理想主義者の惑星ですが、理想を語るだけの人間は社会的な影響力の強い権力の座につくことはで難しいのではないと思います。。そうした人は宗教家や教育者となるのでしょう。

 

このように考察していくと、今まで疑問だったことが理解できるようになりました。素晴らしい理想を語る人たちが、なぜ、社会を変えていく力を持つことが難しいのか、影響力が弱いのか。それは現実を見て、現実的に対処する意識が低く、理想を曲げるような思考ができないからなのでしょう。

 

これは私個人の一つの考察に過ぎませんが、インド占星術でただ10室に土星の影響は政治家の配置であるということを覚えるより、このようになぜ、その天体配置がそういった意味を持つのかということの本質を考察していくことで、この世界の本質を理解することにつながっていきます。そうした、この世界の真理に対する洞察を深めることにこそ、インド占星術を学ぶ深い意味があるのだと私は感じています。その延長線上に生きる意味、運命の意味への理解につながっていっているように感じます。

 

このように本質的なものの見方をすれば、10室に土星の影響は政治家だけでなく、社会的に責任が大きく、現実的に見て、長期的な努力を必要とされるすべての仕事に拡大して理解し、応用していくことができます。こういった資質は経営者としても成功しやすく、必要な配置です。また、こういった傾向は、どんな職業でも成功する可能性を秘めています。

 

インド占星術の初学者である間は、こうした考察まで考えることは難しいですが、理解が深まってきたら、こうした考察をすることでインド占星術のスキルを飛躍的に高めることができるようになります。