クジャ・ドーシャの現代的な解釈の仕方

クジャ・ドーシャの現代的な解釈の仕方

村上幹智雄 -ミチユウ-
村上幹智雄 -ミチユウ-

クジャ・ドーシャの現代的な解釈の仕方

クジャ・ドーシャ(またはマンガル・ドーシャ、マンガリック)は「配偶者に先立たれる」という意味でインド占星術において、結婚についてのリーディングで最も恐れられている惑星配置です。

 

定義:アセンダントまたは月ラグナから第7室が火星によって傷つけられる(第1、4、7、12室に火星が在住)。もしくは第8室に火星が在住する。

 

意味:配偶者がよく病気になる。配偶者に先立たれる。離婚をする。

 

キャンセルする条件
1.双方のホロスコープでクジャ・ドーシャがある。
2.第1、4、7、8、12室に火星以外の凶星(太陽、土星、ラーフ、ケートゥ)が在住している。

 

現代的な解釈の実際

それでは、クジャ・ドーシャができているだけで本当に配偶者に先立たれるのでしょうか。クジャ・ドーシャは10/12の確率で形成されるため、クジャ・ドーシャができているからといって、必要以上に恐れることはありません。ただ、第7室への火星の影響は、ハウスを傷つけるため、配偶者の病気が起こりやすくなります。

 

医療技術が発達していなかった人生50年といわれるような時代は、感染症や内臓の病気、脳卒中が即、死に直結することがありました。そのため、クジャ・ドーシャは配偶者に先立たれるという配置であったと考えられます。

 

私が見たあるホロスコープでは7室に火星が在住し、配偶者が40代始めに脳腫瘍ができ、手術をしました。もし、100年前であれば、ある日突然脳卒中を起こして亡くなってでいたことでしょう。

 

けれども、現代では昔なら死に至る病気も早期発見すれば、多くは治すことが可能です。そのため、クジャ・ドーシャがあるからといって、そんなに早く配偶者に先立たれることはありません。

 

クジャ・ドーシャが配偶者に先立たれる恐ろしい配置として機能するためには多重的に悪い条件が重なる必要があります。そのため、クジャ・ドーシャがあるからといって安易な判断は禁物です。

 

火星の性質の強い人は勇気と行動力があり、活発で元気です。その反面、負けず嫌いで、怒りっぽく、競争好きで、激しいスポーツを好むため、ストレスを抱えやすい性格です。そのため、免疫力が低下しやすく、丈夫そうに見えて、風邪を引きやすいところがあります。

 

7室に火星のアスペクトがあると、そういった性質の配偶者になるため、パートナーの健康管理やストレスマネジメントが大切になってきます。ただ単に7室に火星の影響があると配偶者が病気をしやすいと見るのではなく、その原因を更に本質的に考えていくと対策もとることができますね。